体外衝撃波治療の結果(最初の一年目)
はじめに
体外衝撃波治療(SW ; Shock Wave)を2019年に導入して1年以上が経ち、治療効果を調査しました。インターネットで調べて遠方よりSW治療を受けにくる方も多いです。
当然ながらSWは万能の治療ではありません。その効果を明らかにするために過去の治療成績の調査を行いました。
また、今までの医療が上手くいかず当院にいらっしゃた方の中には、私たちの考える標準的な治療を受けてない方もおり、SWのみならず全ての患者さんに理学療法士によるリハビリや、薬、注射、装具療法等々必要な治療を併用しています。
調査対象
平均施術回数 6.2(最低 1回 最大38回)
そのうち、SWを3回以上行い、治療効果を確認できた方を調査しました。
対象患者 患者数 177 総施行部位 184 片側160 両側14
平均年齢 55.0歳(14〜94歳) 男 91 女 86
平均施術回数 7.6(最低 3回 最大38回)
先に述べましたとおり、リハビリテーションをはじめとする必要な治療を併用しており、以下の結果は、純粋なSWの効果というよりはSWも含めた「やよいだい整形外科」の治療効果の集計と考えていただきたいです。
SW導入当初は様々な疾患に実施しています。疾患として多いのは、肩こり、腰痛、肩関節周囲炎、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、アキレス腱症、足底腱膜炎でした。
結果
患者さんの感じる痛みを治療開始時と治療終了の時点で比較しました。痛みの程度が60%以上減った方の比率は全体の41.3%でした。
著効(80%以上改善)53 有効(60−79%改善)23 不変(0−59%)76 悪化 3
疾患ごとの結果
多くの方に施術した疾患のうち、外側上顆炎(テニス肘)や足底腱膜炎、アキレス腱症では痛みがよく取れる反面、肩こり、腰痛、肩関節周囲炎、内側上顆炎(ゴルフ肘)に対してはあまり効果は認められませんでした。
治療結果の比較
治療効果の内訳 軽快中止94 SWのみ中止33 効果なく中止16 中断31 継続中10
特に痛みの軽減の点で成績の悪かった肩関節周囲炎は関節の動きが改善したせいか、24人中22人は治療効果を認めました。肩関節周囲炎のほとんどの方は、石灰沈着性腱板炎を併発しており、ストロイドの関節内注入と可動域訓練の指導が効果を上げているようです。
施術回数と治療効果
SWは何回やれば効果的なのかを明らかにするために、施術回数と効果の関連を調べました。